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読書備忘録①「君は誰と生きるか」

  • 読書を習慣化したい🐷
  • 6月14日
  • 読了時間: 3分

更新日:6月15日

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「これからの人生、君は誰と生きる?」


この問いに即答できるのは世界でもほんの一握りだろう。私自身、最初にこの問いを目にした時、「両親?友人?パートナー?それとも仕事で関わる人たち?それとも未来で関わる別の誰か…?」と迷いに迷って答えを出すことができなかった。皆さんだったらこの問いにどう答えるだろうか。


この本は著者・永松茂久さんとその師匠との対話形式で話が進む。人脈を広げてビジネスを成功させたい青年と、日本の納税王かつビジネス書のベストセラー作家。5章にわたって2人の対話が描かれるが、終始一貫して「誰と生きるか」と言うことが問われる。


世間一般で「人脈は広ければ広いほど良い」と信じられているのは言うまでもない。昨今はSNSで簡単に人と繋がることができるようになり、さらにこの人脈神話(この本から拝借した言葉)に拍車がかかっていると言っても過言ではないだろう。

著者もこの考えの信者の一人だった。当時駆け出しのビジネスマンだった著者は、金と時間を惜しみなく使い、所謂成功者の元を渡り歩いて人脈を広げようと奔走していた。


そんな著者に師匠は、外へ外へとつながりを求めにいく人は「実は自分にとって本当に大切な人が誰かに気付いていない人なんだよ。」と話す。自分や自分の身近な人が幸せになるように行動することで、結果的に人が集まってくると言うのだ。


1回聞いただけでは理解することは難しいかもしれない。しかし、師匠が成功者の具体例を元に話をしてくれるので、自分自身の経験を当てはめて読み進めていくと、だんだん師匠の言っていることが腑に落ちてくる。そして最後には不思議と師匠、そして著者が最も伝えたい「誰と生きるか」と言う問いの意味とその答えを自分の中で見出すことができるだろう。


私がこの本の中で一番心に残っているのは師匠のこの言葉である。

「本当に君を大切に思ってくれる人は、たとえ君がすべてをなくしたとしても、変わらずに一緒にいてくれるもんだよ。」

この言葉で思い浮かんだ人は、今自分が本当に大切にしなければならない人なのだろう。


私が適応障害になって仕事を休んだ時、ひどい言葉をかけてきた人がいた。怒った口調で「声が出ないって言ってもさ、授業以外のことはできるよね。」と言われたり、私に聞こえるくらいの声量で「時間割また変えんといけんわ。」と陰口を言われたり…。休職期間中もそのことがずっと頭から離れなかった。


しかし、この本を読んでから、私が本当に目を向けなければならなかったのは、こんな状況になっても変わらず優しい言葉をかけてくれる人たちだったと気付かされた。休職に入る前日、お菓子と私の好きなワインを詰め合わせたものを手渡し、「待ってるからね。元気で帰ってきてね。」と涙を流しながら言ってくれた先生。声が出なくなった私に寄り添ってくれた家族。他にもこんな私を受け入れてくれた人たちがいることに感謝の気持ちで一杯だ。


その人たちを幸せにできる方法を考えることが、これからの私の人生を豊かにするのだろう。これが今の私が出した問いに対する答えだ。

 
 
 

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